株の基本的な性質を、経済というポイントで説明してみます。
目次
- 株とは?
- 株が与える影響
- どのように経済とかかわっているのか
- 株式投資の注意点
- 要点ポイント
1. 株とは
僕が普段から投資対象としている株とはどういったものでしょうか?
資産形成をするために投資を行う金融資産であるという認識はすでにお持ちの方も多くいらっしゃるでしょう。
株(株式)というのは企業がお金を集める手段の1つとして発行するものです。
企業はたくさんの人から少しずつ出資をしてもらい、その見返りとして企業オーナーとしての権利を与え、事業から出た利益を還元します。
(昔は株券という券面が発行されていたそうですが、現在は電子化されており、株券という言葉は使われなくなりました。)
この時お金を出してくれた企業オーナーとなる人を株主、還元する利益を配当といいます。
勘違いしてはいけないのは、企業が株式の発行で集めた資金は企業のお金であり、株主に対する借金にはならず、投資した金額が返済されることはありません。
そのため、株主は企業に対して出資したお金の回収を要求することはできません。
しかし、株は株式市場で転売することができるので、転売で換金したお金が出資した金額より多かったり、企業からの配当金を受け取ったりすることで、株主は株で儲けることができているのです。
出資した見返りとして企業オーナーとしての権利が与えられると前述しましたが、権利には
・株主総会の議決権
・配当金を受けとる権利
・企業解散時の残余資産を請求できる権利
などがあります。
権利行使するための条件などもありますが、詳しくはまたどこかで記事にできればと思います。(早く知りたいという方は調べていただくようにお願いします。)
ちなみに、企業が返済義務を負う資金調達方法は債券になります。
債券もどこかで記事にしたいと思います。
2.株が経済に与える影響
株式は会社がお金を集めるときの手段1つと説明しました。
会社が株式の発行によって巨額の資金を集めることに成功すれば、その資金は設備投資に充てたり、雇用者を増やして事業を拡大することができます。
そのため、一般に株式の発行というのは企業の成長を促進します。
企業が成長すれば、世の中のお金の周りがよくなり、景気がよくなります。
そして景気が良くなれば、従業員の給料も増え、株式を保有している株主は配当という形で利益を得ることができます。
また、株を持っている人は株式市場で株を転売して換金することができます。換金した時のお金が出資した時のお金よりも高くなっていれば差額によって儲けることができるので、株式市場の取引も増えます。
3.株と経済とのかかわり
株は経済の先行指標と呼ばれます。
投資家たちは1年先の未来を見据えながら株式投資を行っているため、1年後も価値のあると予想される企業の株価は上がり、1年後の価値が下がっていると予想される企業の株価は下がります。
お給料が入って手元の資金が増えると、「買いたい・買える」という気持ちが強くなりますよね。
消費マインドが上がる状態です。この時、僕たちは商品を買ったり、サービスの利用が増えたりします。
すると、企業の売り上げが上がり、売り上げた資金で企業が企業のために投資したり、従業員の給料を上げたり、資金が流れていきます。
個人⇒企業⇒経済へと資金の流れが波及していくイメージを持ってください。
売り上げが大きく投資もできるような元気な企業がたくさんあると経済全体の資金の流れが大きくなり、資金が滞りなく流れていると、景気が良い状態になっていきます。
株の発行によって企業は自己資金を増やすことができますし、株価は経済の動きの指針となり、経済状況を表す役割を担っています。
株と経済の繋がりは切っても切れない繋がりがあることがわかりますね。
今日、企業はグローバル化で世界とのつながりが強くなっています。グローバル化している企業は世界各国で利益を生み出し、より大きな企業へと成長していっています。
その一方で、世界情勢が企業に与える影響も強くなっています。
世界的なIT企業へ対してサービスの独占を警戒したり、各国同士の関係によって輸出入が制限されたりしています。世界的企業にとっては各国の政策が大きなハードルとなることも少なくないのです。
世界の各地へ展開している企業だけではなく、自国だけで経営をしている企業でも世界的企業とかかわりがあればその余波を受けることになります。
また、グローバル企業の多くは株式を発行する株式会社の形態をとり、各国の株式市場へ上場することもあります。世界経済と企業・株のかかわりは密接であるといえます。
そして、大きくなった株式市場は企業だけでなく個人の資産形成の一端も担い、投資は富裕層だけでなく、幅広い世代で活用されるようになっています。
4.株式投資の注意点
投資は自己責任の原則があります。周りから何を言われていようと、投資判断をしたのはあくまでも自分であり、それによって得た利益も、被った損害も自己責任であるという考え方があることは理解しておきましょう。
詐欺や脅迫された場合は自己責任の原則は適用されませんので、うまい話には注意して、怪しいと思ったら信頼できる人に相談してくださいね。
株式投資をしていれば、うまくいけば利益が取れ、下手をすれば投資した金額が戻ってこないという損失を被ることがあります。この「利益が出る可能性」と「損失を被る可能性」の両方をリスクがあるといいます。
投資はリスクがあるものですので、自分が納得したうえで、自分が抱えられる大きさのリスクを見極めて投資をするように注意しましょう。
投資するお金についてよく言われるのが資金性格ですね。
使途確定金は投資資金に充ててはいけないとよく言われます。
例えば、5年後に300万円必要になることがわかっていて、300万円の貯金があるとします。準備している300を5年間の間、損失を被る可能性のある投資に使うと、5年後には200万円になっていたということも十分あり得ます。この場合、300万円は貯金かリスクの低い国債にするのがよいでしょう。
リスクのある投資を行うときには多少損失を被っても構わないと思える余裕資金を使うように注意してください。
5.要点ポイント
・株式の発行は企業の資金調達方法の一つであり、企業成長の源泉です。
・企業の成長が経済の成長、ひいては我々の生活水準の向上となります。
・グローバル化によって世界の出来事が他人事ではなくなっています。
・投資によって資産形成を行えるようになったものの、株はリスク商品であり、自己責任の原則のもと、上手に活用していく必要があります。