出来高分析は相場分析を行う際に用いられる手法の一つです。
僕が銘柄探索するときに使う手法でもあるので、ご紹介したいと思います。
1.活況相場と閑散相場
2.出来高分析とは
3.出来高が増えるとき
4.出来高が減るとき
5.終わりに
1.活況相場と閑散相場
出来高分析では相場の勢いをつかむことができます。個別銘柄の出来高を見れば、その銘柄が他と比べてどれだけ取引が行われているのか、普段より取引が多いのか少ないのかなどの売買状況を知ることができます。
活況相場:取引がかっばつで出来高が多く、活発な売買がされている相場
閑散相場:取引が閑散としていて出来高が少なく、閑散とした相場
投資に限らず、人気なお店は繁盛して利益を上げますし、閑古鳥が鳴いているお店は次第に存在感をなくしていきますよね。
2.出来高分析とは
出来高分析は売買の成立した取引の量をもって分析を行うテクニカル分析の手法の一つです。
出来高はある株式を注文して取引が成立(約定)した数量になります。
取引の成立量が多いときは出来高は増え、取引成立の量が少ないと出来高は減ります。
この出来高の増減をみて相場の状況を把握し、今後の予測を立てます。
銘柄によって出来高の水準は異なり、代表的な銘柄は基本的に出来高が多くなりがちです。指数採用銘柄などは出来高の水準が高くなりやすいものです。
逆に普段あまり聞かないような銘柄は出来高の水準が低くなりがちです。
出来高を比較するときは出来高の数量を比較するより、出来高の増減という観点で比較するほうが適切だといえるでしょう。
普段からろうそくチャートの下側に棒グラフが並んでいる図を使ってはいないでしょうか?
この棒グラフは出来高に設定されていることが多いです。そのため、実は無意識のうちに出来高分析を行っていたりするのです。
3.出来高が増えるとき
出来高が増えるのは取引が活発に行われたときです。
①人気が集まりつつあり、買いたい人が増えているとき。
チャートが右肩上がりに伸び、日を追うごとに出来高が増えているとき、注目を浴びて人気になっている状態を表します。継続して上昇傾向になるのかは上昇理由によるため、なぜ上がっているのか、継続して上昇する余地があるのかはいろいろな情報を集めて判断しましょう。
チャートの上昇がまだ初期と考えられるときは買い、時間がたって天井を付けつつあると思ったときは縁がなかったのだと考えるようにしています。
②大量の売りが入って売りが売りを呼んでいる状態の時。
チャートが右肩下がりに伸び、出来高が増えているとき、保有している株に対して株価が下がりきる前にすべて売り切って損を限定しようとする心理が働き、売りが売りを呼んでいる状態を表します。
企業の不祥事や、悪い決算を起こしたときなどたいていの場合悪いニュースが起きて言います。
最近は機械的に○○円になったら売りを出すというような設定をすることができますし、信用取引をしていたら機械的に売却しなければならないということがあり得ます。
要注意ではありますが、下がる原因によっては押し目買いのチャンスとも取れます。
企業業績が堅調で株価が下がるような理由がないときは別の銘柄の影響を受けているだけということもありますし、決算が一時的に悪くても来期には回復ということであれば次の決算までに元の株価水準まで戻るでしょう。
4.出来高が減るとき
出来高が減るのは取引の量が少なくなっていくときです。
①人気がなくなって取引が減っているとき
銘柄自体の人気がなくなって取引が少なくなっていきます。買う人が少なくなれば、どうしても売りたいという人は値段を下げてでも売ろうとするので需要と供給のバランスから株価が下がる傾向にあります。
出来高が低い水準の銘柄は株価があまり動かなくなるので投資の面白みは少ないでしょう。
②何らかの理由で取引ができなくなり出来高が減少しているとき
取引所が動かない非営業日は出来高0です。とはいえこの場合はグラフ上にも表れないので考慮不要でしょう。
個別の銘柄で取引ができないときというのは値幅制限を受けて取引できなくなっているという場合が考えられます。日本株には一日に変動してもよい金額の幅が定められているので、急激な上昇、急激な下落の時は取引できなくなります。
数日のうちに解消され、解消時には出来高が増えます。
5..終わりに
出来高分析は出来高が常に乱高下を繰り返しているとき、常に低水準で動きがないときはあまり効果を発揮しません。他の手法と合わせて活用することが前提となります。
僕自身銘柄を探すときに出来高分析を活用していますが、銘柄選定時の観点は低水準で推移していたのに急激に出来高が増えているものをピックアップしています。
何かしらの良いニュースがあるはずだからです。
今回は出来高分析についてでしたが、いろいろな手法を活用して自分に合った銘柄を精度高く見つけられるようになりたいですね。